消防士に英語って必要?
現代、グローバル化が進み、昔より多くの外国人が日本で暮らしています。コロナが収束し、何の制限もなく日本に入国できるようになれば、さらに外国人が日本に滞在することになります。
もし、外国人が119番通報してきたら?救助事案で外国人が要救助者だったら?
そんなとき、英語は必要なのか説明します。
消防士に英語はいらない
最初に結論から述べると、ほとんどの消防士に英語は必要ありません。実際に英語を話せる消防士はほとんどいません。その理由を説明していきます。
3者間同時通訳
指令センターに119番通報があったときに、電話通訳センターを介して3者間通話を行います。多少のタイムロスが発生しますが、確実に外国人とコミュニケーションがとれ、必要な情報を入手することができます。対応言語も英語だけではなく、主要な言語は対応しています。
さらに、現場でも3者間通話を使用することができます。電話通訳センターと電話をつなぎ、電話の受け渡しで会話することができます。
多言語音声翻訳アプリ「救急ボイストラ」
「救急ボイストラ」は通常の音声翻訳機能、使用頻度が高い会話内容を「定型文」として登録していて、外国語による音声と画面の文字による円滑なコミュニケーションを図ることができます。
主に救急活動を目的としていますが、救助事案等でも使用できます。
外国語のマニュアル
災害出動する車には、外国人とコミュニケーションをとるために必要な用語が書かれたマニュアルみたいなものが載っています。そこに書いてある情報を入手できれば、必要な情報は聴取することができます。しかし、相手にはマニュアルに書いてあることは伝えることができますが、回答を聞き取るのが難しいかもしれません。
英語が必要なときはある?
私が消防士をしてきて、英語が必要だと感じたときを紹介します。また、必要になりそうだなと感じたことも上げていきます。
英語対応救急隊
東京消防庁では、英語対応力を備えた救急隊員で構成された英語対応救急隊があります。この救急隊を目指す人には英語が必須になります。
国際消防救助隊
海外で大規模災害が発生したときには国際消防救助隊が国際緊急救助隊の一部として派遣されます。海外に派遣されるわけですから、日本語は通じません。国際緊急救助隊の中には通訳の人も派遣されるそうですが、危険なエリアに入っていくのはもちろん救助隊の人だけですから、通訳の力を借りることはできません。どこに派遣されるかわかりませんが、話している人が多い英語を話せるようになっていれば、役に立つことは間違いないでしょう。
資機材の取扱説明書
消防の資機材は日本で作られたものも多いですが、外国製のものの方が多い気がします。海外製のものは日本の会社が取扱説明書を翻訳して日本語にしてくれていますが、ときどき英語の説明書がない場合や英語の説明書の方が詳しく書かれている場合があります。消防は自分たちが使う資機材を把握しておかなければならないため取扱説明書は非常に重要なものとなります。英語を読めると読めないとでは資機材の理解度も変わってきます。
まとめ
今回は、消防士に英語は必要かという疑問について回答しました。答えは、「ほとんどの人は必要ない」。
しかし、私は、消防士は英語を話すことができる人はほとんどいないわけですから、英語を話すことができたら他の人を差をつけることができます。さらに、外国人との対応では、他の人の力を借りなくても済むわけですから、時間が圧倒的にはやくなります。
英語は話せないより話せたほうがいいです。消防の仕事は学ぶことがたくさんあります。そんな中でちょっと余裕ができたら英語を学んでみるのもいいでしょう。