【消防士の日常】-小学生との関わり-

今回は、私の消防本部で行っている小学生への訓練指導について紹介します。訓練指導というのは、事業所に対して救命講習や訓練の講評を、幼稚園児や小学生に対して、消防士の仕事はどのようなものであるかを紹介するものです。

小学生への訓練指導は、学校から依頼されて行うものもありますが、私の消防本部では、学校の授業の一貫として消防士の仕事を紹介するというものがあります。それは「学校で119」とよばれています。 

仕事の紹介

「学校で119」の対象はだいたい3、4年生を対象にします。まず、消防本部の予防・広報係が準備したパワーポイントを使用してプレゼンテーションを行っていきます。ある程度消防の階級が上の人が災害対応なしで行っていきます。

パワーポイントの内容

  • 消防の一日
  • 消防車両の紹介
  • 消防組織に関すること
  • 災害対応に関すること

授業の1コマを使用して、質問等も交えながら説明を行きます。

訓練、車両見学

プレゼンテーションが終わったら、外にでて、当直隊に出向してもらい車両説明や訓練展示を行ってもらいます。ポンプ車や救急車、救助工作車、はしご車から出向できる車両が学校で説明します。

車両見学

今回、私が主に担当してものは、車両見学だったのでこれについて詳しく説明します。

まずは、生徒が来て挨拶を行います。このときに、隊がピシッとならんで敬礼をすることで、小学生もピシッとなりました。隊長が最初に簡単な自己紹介とあいさつをして、私にバトンタッチされた形をなりました。車両見学を実際の流れで説明します

1.自己紹介

今回は、救助工作車の車両見学を行いました。まず、自分の所属している隊、名前を言い、自己紹介を行いました。

2.最初の質問

そのあと、「この車はなにをするための車だと思う?」「水はこの中にあると思う?」と生徒たちに投げかけ、答えてもらいました。そして、正解は「難しくいうと救助工作車で、簡単にいうとレスキュー車です。人を助けるための車です」を回答します。

3.資機材

1.「この車にはどれくらい道具が載っていると思う?」
2.油圧カッター
「大きいけどみんなの家にもあるやつだよなんだと思う?」

おそらくハサミという答えをもらえるので、正解と伝え、「油圧カッター」という名称を教えます。

「なにが切れると思う?」

「家にあるハサミでは、紙がきれました。では、大きなハサミでは、何が切れる?」と質問して、答えてもらいます。そして、正解を「車」をいうとかなりびっくりします。

油圧カッターはかなりの重量があるので、人数が少なかったら、持ってもらうのもいいかもしれません。

3.ロープ
「ロープの色が違うのはなんでだと思う?」

私の救助工作車に積載しているロープは、、ロープの長さごとに長さが違うので、それを質問しています。

4.三連はしご
「何メートルくらい伸びると思う?」

三連はしごがどのくらい伸びるかを質問し、だいたい9mを答えます。そしてわかりやすいように、学校ではだいたい3階くらいまで伸びますと説明します。

5.クレーン

クレーンをあらかじめ高いところに設定しておき、それを見せます。

6.可搬ブロア
「家にあるのが大きくなったものだけど何だと思う?」

見た目で、扇風機が大きくなったものをすぐわかるけれども、これに対する質問事項が最も多かったです。風力はどのくらいだとかどのくらいの重さがあるのかとか盛り上がりはしなかったけど、最も関心をもたれたのかも?

7.チェーンソー
「これはなにを切るものでしょう?」

さっきの大きなハサミは車を切ると言ったけど、これはなにをきるのかを質問しました。「木」と答える人が多かったです。アニメ「チェーンソーマン」の影響もあってか、かなりの盛り上がりを見せていました。

8.エンジンカッター
「これは何を切るものでしょう?」

チェーンソー同様に何をきるものか聞きます。答えとしては、トビラやコンクリートと答えました。

「刃の先にはなにがついているでしょう?」

エンジンカッターには、ダイヤモンドの刃がついていたので、それについて質問しました。子供たちにダイヤモンドと伝えるとかなりびっくりした様子でした。

9.車両照明

車両照明を伸ばして、これで暗いところでも活動できることを説明しました。照明が伸びていくところを見せて、そこが一番盛り上がりました。

10.質問

最後に質問を受けました。質問を受けたもので印象に残っているものを挙げます。

タイヤについて後ろはなんで2個あるのに、前は一個なのか

この質問は予想外でした。これは思いものが後ろについているから、タイヤが2個あると答えました。

訓練展示

訓練展示は一緒に出向してきたはしご隊が行っていました。防火衣着装からはしご車を使用した救出訓練でした。救助隊が、救出する様子をみせるのもいいのではないでしょうか。

まとめ

今回は、小学生への訓練指導について説明しました。小学生は、めずらしいもの、音がでるもの、うごくものに興味があるのではないかと思いました。先輩から聞いたのですが、空気呼吸器を陽圧にして、空気を面体からだすというのも、盛り上がるそうです。

コロナによる制限もこれから緩和されていき、訓練指導の回数が増えていくのではないでしょうか。今回の小学生への訓練指導が、参考になればと思います。

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