消火器の訓練指導

先日、小学生相手に消火器の取り扱いについて説明したので、今回は消火器の訓練指導について紹介したいと思います。消火器に関する訓練指導はよく市民のみなさんに行うものなので、覚えておいて損はありません。

あいさつ

まず、市民のみなさんに対して指導するときに一番最初にしないといけないことは、自分の名前を名乗ることです。「〜消防署から来ました、〇〇といいます。」等、簡単の言葉でいいので、自己紹介をしましょう。訓練指導の内容ばかりを気にしてしまって、名乗ることを忘れてしまう場合があるので気をつけましょう。また、自己紹介で訓練指導の相手の緊張等をリラックスすることができたら、さらにいいと思います。

消火器の説明

次に消火器の説明を簡単に行います。「消防法施行令10条から・・・」のような難しい内容は市民に説明しないようにしましょう。次に挙げる説明をすればいいでしょう。

  • 消火器の噴射時間
  • 消火器の噴射距離
  • 消火器はどんなときに使えるのか、使えないときはあるのか
  • 消火器にはなにが入っているのか

上記の内容はだいたい、消火器についているラベルをみることで把握することができます。しかし、消火器によって、多少異なるので、目安となる値を示していきます。

消火器の噴射時間

消火器の噴射時間は約10〜20秒です。

消火器の噴射距離

消火器の噴射距離は約3mです。

消火器が使える時は

消火器が使えるときは、初期消火です。火が天井まであがってしまった場合は、すぐに119番通報し、消火器で消そうとするのではなく、すぐに避難するように伝えます。

消火器の取り扱い方

消火器の取り扱い方を説明するときは、実際に一度、手本を見せて行うのがいいでしょう。「ピノキオ」という言葉を用いて説明すると覚えてもらいやすいかもしれません。詳細を説明していきます。

1 大きな声で「火事だ」と叫ぶ

消火器の取り扱い方を説明するとき、すぐに消火器を持って「まず、この消火器は・・・」のように説明したくなるが、まず最初にすべきことから説明しなければなりません。それは、火事が起こったことを周りの人に知らせることです。「家事だ」と叫び、周囲の人に避難をしてもらったり、119番通報をしてもらったりします。それらをひとりで行おうとすると時間がかかり、初期消火可能であったのに、できずに火事になってしまうかもしれません。

2 消火器を火事現場の近くに持っていく

ショッピングセンターや学校には、消防法に定められているとおり、消火器が一定の間隔で設置されています。その消火器を火事がおきてしまった場所にすばやく持ってくることが第一に行うことです。

3「退路」の確認をする

消火器を火事現場にもってきたら、火を消すことだけに集中するのではなくて、しっかりと避難する経路を確認しましょう。もしも、火が大きなってしてまって逃げれなくなってしまったという事態は最悪です。

3 安全ピン抜く

消火器を持ってきて、適当な場所に置いたら、消火器の上部についている黄色のピンを抜きます。

4ノズルをもつ

次に、消火器のノズルを手に取ります。

5適切な距離をとる

炎から適切な距離(約3m)と取ります。

6押す

最後に狙いを定めて、レバーを押します。

「消火器をかける位置は、火の根本にかけると効果的です」や、「ほうきではくようにして近づいてくと火の根本に消火器の粉がかかって良いです」のようなことを加えて話してもいいかもしれません。

「安全ピン」の「ピ」、「ノズル」の「ノ」、「距離」の「キ」、「押す」の「オ」をとって「ピノキオ」です。結構覚えてくれます。

お手本を見せる

先ほど説明したとおりに一度お手本を見せます。一連の流れを見せることでイメージを持ってもらいやすくなります。

体験してもらう

説明が終わったら、最後に水消火器で体験してもらいます。コーンなどの目標を置いて行った方が体験する人もわかりやすくていいと思います。おおよそ水消火器1本で5人くらいは体験できます。

体験する人の横について、アドバイスしながら行うのがいいでしょう。一人の人の体験が終わったら、すぐに次の人が体験できるように、水消火器の安全ピンを元に戻してスタート地点にもっていきます。その繰り返しです。

振り返り

最後に、消防が一言話す機会があると思います。そのときは、体験した人を褒めるのもよし、アドバイスするのもよし、話す人が話したいことを話せばいいと思います。しかし、火事を見つけたらすぐに119番通報をしてもらうことを念をおしてください。もしも、初期消火に失敗した場合、いかに早く消火活動に入れるかが、非常に重要になるからです。

まとめ

今回は、消火器の取り扱いの訓練指導について説明しました。日頃から消防士は消火器を取り扱ったりしないですが、市民は消火活動のスペシャリストとして私たちを見ています。わかりやすく、優しく教えることで市民の安全を守ることにつながると思います。また、一般の人を接することができる良い機会です。もしも、訓練指導の機会があったら、積極的に一般の人を会話して、楽しんでください。

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