石川県への出動

元旦に発生した石川県能登半島地震が発生し、私の所属の隊員が石川県に緊急消防援助隊として派遣されているので、それについて紹介します。

石川県出動までの流れ

年末年始の防火パトロール

能登半島地震は石川能登地方で2024年1月1日16時06分に震度5強、16時10分に震度7を観測した地震です。

その日は、元旦でしたが私たち消防職員は休日関係なく勤務しているので、私は出勤していました。といっても、元旦は他の人は仕事が休みで普通の日に比べたら、やることが少ないので、年末年始の特別警戒と題して、消防署の周りを防火パトロールをしています。

私たちの隊は、15時くらいに消防署を出発し、防火パトロールをしていました。防火パトロールも終盤に差し掛かったとことで、消防車のナビが急に音をだし、緊急地震速報が情報が流れました。そして、その直後、消防車のなかでもわかるような揺れが発生しました。

揺れがおさまって、少し経つと、消防署で待機していた大隊長から連絡があり、すぐ消防署に帰ってくるよう命令がありました。

情報収集

消防署に帰ると、出発前の元旦の雰囲気とは異なり、少し緊迫した雰囲気が漂っていまいた。テレビのニュースをつけると津波警報が発令されており、アナウンサーの方が、避難を呼びかけていたり、地震発生時の映像が少しながれたりして大きな地震があったと実感するには時間はいりませんでした。みな、個人の荷物を確認したり、緊急消防援助隊の法令や要綱、マニュアルを確認して今後の対応を確認したりして災害のスイッチが入っていました。

出動準備

緊急消防援助隊の要綱に石川県で大きな地震が起きたら、私の都市が派遣される予定になっていました。そのため、本部の警防係から私の所属する救急隊に出動準備の要請がありました。

そして、勤務している人の中から誰が派遣されるかを大隊長が人選し、派遣されることが決定した人は、出動の個人装備を整えました。

出動

そして、20時ごろ本部から出動の命令が入り、派遣隊の集結場所に出動していきました。

救急車で使用している無線や携帯電話はどうするのか、この救急車が出動してしまったら、次の日の救急隊の乗車する車がないけどいいのかなどたくさんの疑問点や不明な点を抱えながら、バタバタしながら出動していきました。

集結場所到着

石川県に出動した救急隊から集結場所に到着し、一緒に派遣される他の都市の集結を待ってから石川県に向かうという連絡を受けました。

集結場所出発

すべての派遣隊が集合し、23時ごろに石川県に向けて出発しました。夜通しの運転ですので、とても大変だったと思います。

石川県への出動に伴って発生した問題点

救急救命士を一度に2名派遣

問題の一つ目は、派遣する救急隊の3名のうち2名が救急救命士であったことです。救急救命士は国家資格で、限られている人しかいません。通常勤務のとき、救急車にのる救急隊員3名のうち1名は救急救命士でなければなりません。そのため、石川県に一度に2名を派遣していまうと、通常の救急隊に救急救命士を含むことが難しくなってしまいます。

次の日、運用する救急車がない

私の消防署が通常体制のとき使用している救急車で石川県に出動してきました。そのため、消防署に救急車がない状態になってしまったのです。代わりの救急車も配備されているわけではありませんでした。しかし、本部の救急係は、次の日にはどうにかして運用してほしいというのです。そこから、石川県に行かずに残った人で、救急車を他の消防署から手配し、資機材も手配しました。21時を過ぎてから、車両の回送等を行い、とても大変でした。

サービスエリアで待ちぼうけ

緊急消防援助隊は、県大隊で移動します。そのため、高速道路上のどこかのパーキングエリアやサービスエリアで、一度、出動する車両や人員が集結します。そのため、集合場所への到着時間が県内の消防署であっても異なります。私の消防署は比較的、集合場所まであまり時間がかからなかったので、他の地域の消防隊をかなり待つことになりました。一応、ほかの地域に伺いを立てて、この時間にならつけると聞いているらしいですが、全く意味がありませんね。

出動準備がかかっているのに救急隊は出動しっぱなし

地震が発生し、私の所属の救急隊に出動準備がかかったにも関わらず、救急指令が絶え間なくかかり、ずっと出動していました。そのため、緊急消防援助隊として必要な資機材を救急車に載せこむ等の準備が余裕をもってできなかったと思います。出動する人員は他の救急隊員だったのでよかったのですが。

まとめ

大規模な地震が起きると、緊急消防援助隊が出動します。今回はどんな流れで私の所属の救急隊が出動したのかを紹介しました。災害は突然に起こり、準備する時間もありません。そのため、かなりドタバタとし、そのまま出動してきます。通常の勤務のときに、しっかりとそのような大規模な災害を見越して準備することが必要です。

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