消防の運動会?消防救助技術大会って?やる必要あるの?

消防の運動会があると聞いたことがある人はいませんか。流れるようなロープさばきやとてつもないスピードではしごを登る姿をどこかのビデオで見たことがある人もいるかもしれません。しかし、その詳細について知っている人は少ないと思いますので、それについて説明したいと思います。

消防救助技術大会

消防救助技術大会とは、消防士が救助技術の向上を目的として、救助技術の正確さ、素早さ等を競い合う大会です。地方大会から始まり、勝ち上がると、地域ブロック大会、全国大会へと進めます。この大会を勝ち進むために参加隊員は多くの練習時間を費やし、体力、精神力、技術力、チームワークを向上させることができます。

訓練種目

  • はしご登はん
  • ロープブリッジ渡過
  • ロープ応用登はん
  • ほふく救出
  • ロープブリッジ救出
  • 引き揚げ救助
  • 障害突破

消防救助技術大会をやるメリット

隊のチームワークが上がる

救助大会で良い結果を残すには、訓練が必要です。また、訓練をするには安全管理者や確保員が必要となり、訓練を実施する隊員以外の協力も必要になります。そのため、訓練中に多くのコミュニケーションが取れ、隊の連携が深まるのです。また、はしご登はんとロープブリッジ渡過以外の種目は連携訓練で協力しないと訓練が実施できず、連携がスムーズに行えないと良い結果を残すことができません。訓練を行うことで隊員がどのような性格をしているのか、能力はどのくらいかがある程度分かり、隊長は隊の統率がとりやすくなります。

体力が向上する

救助大会の2か月前くらいになると、救助大会に向けた訓練が主となります。はっきり言って、救助大会の訓練はきついです。外で動きっぱなしになるわけですから、いやでも体力が向上します。私は救助大会の訓練期間中に3kg体重が落ちました。

ロープの取り扱いがうまくなる

救助大会の種目は三つ打ちロープを使用して結索をするものが多いです。救助大会では、いかにミスなくすばやくできるかに重点があるわけですから、結索を何度も練習します。その中で、ロープの扱い方がうまくなります。現代では、三つ打ちロープよりも網構造ロープの方が主流になってきていますが、まだ三つ打ちロープを取り扱う機会があると思いますのでロープの扱いがうまくなることは消防活動において役に立つでしょう。

分析力が上がる

救助大会で勝つためにはミスなくスムーズに行わなければならないと先述しましたが、それを行うには訓練を行った後にどんなミスがあり、なぜミスしたのかを考え毎回少しずつ改善しなければなりません。ビデオを撮影したり、先輩からアドバイスをもらったりとさまざまな方法で施行錯誤を繰り返します。何度も考えて試行することで分析する力が向上します。

救助大会を行うデメリット

災害対応の訓練ができなくなる

救助大会の訓練を行っているときはその訓練しか行いません。ホース延長訓練や救出訓練は行わないため、災害対応の能力は向上しません。救助大会の訓練は災害活動の訓練にはならないのかという疑問が生じるかもしれませんが、私は役に立つとは思いません。救助大会の訓練は決められたゴールに実施要項に基づいて訓練を行います。さらに、救助大会の訓練が現場で役に立つ場面はほぼないです。実際に、救助訓練をするなら災害対応の訓練をしたほうが良いという人もいるくらいです。

けがをするリスクが上がる

救助大会訓練は速さを求める中で、安全管理がおろそかになってしまうときがあります。また、訓練実施隊員は何度も訓練を行い、さらに無理な態勢で行っていることが多いので、体のどこかを痛めていることが多いです。

まとめ

今回は、消防の運動会のような消防救助技術大会について触れました。さまざまな種目があり、どの種目も奥が深いです。youtube等で検索すれば、動画をみることができます。あまりのスピードにびっくりするひともいると思います。安全管理や怪我のリスク等で問題がありますが、救助大会が命という隊員もいるので、まだ救助大会は実施し続けると思います。

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